1江戸の昔、庶民の生活の中から歌舞伎や落語、浮世絵に代表される独自の文化が花開きました。このような文化は江戸から東京に今も引き継がれています。一方、東京では現代演劇・舞踊、コンテンポラリーアート、ポップカルチャーをはじめ、デジタルテクノロジーを活用した最先端のアートも次々と生み出されています。伝統的なものから革新的なものまで多種多様な芸術文化が交差し、世界を魅了する都市、それが東京です。2020年から新型コロナウイルス感染症が蔓延し、多くのアーティストや芸術文化を支える方々が厳しい状況に置かれています。世界が「文化の灯を絶やさない」を合言葉に、様々な支援策を打ち出した中、東京都は全国に先駆けて「アートにエールを!東京プロジェクト」を立ち上げ、幅広い芸術文化活動を支援しました。芸術文化は人々の心を癒し、日々の生活になくてはならないものだという思いを強くしました。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の文化プログラムでは、Tokyo Tokyo FESTIVALと銘打ち、リオデジャネイロ大会後の5年間で16万件の多彩なプログラムを実施しました。まちなかアートやオンラインなどの新たな手法も含め、3900万人もの方々に芸術文化を身近に体験していただきました。ここで生まれた様々な文化レガシーを次の世代に繋いでいくこと、ここに大会を開催した東京の果たすべき使命があります。「東京文化戦略2030」では、時代の変化に対応し、2040年代の東京が目指す将来像を実現するため、2030年度までの文化行政の方向性や重点的に取り組む施策をお示ししています。4つの戦略のもと、10の推進プロジェクトを盛りこみました。芸術文化はまちに彩りを与え人々を楽しませるだけでなく、教育や福祉、産業、観光など多様な分野にプラスの効果をもたらし、持続可能な、より良い社会づくりの原動力となります。「東京文化戦略2030」を実行し、芸術文化で東京の魅力を一層高め、生活もより豊かにする「芸術文化で躍動する都市東京」を都民の皆さまとともにつくってまいります。 令和4(2022)年3月○○○○○東京都知事芸術文化で躍動する都市東京を目指して
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