一方で、都民の誰もが身近に芸術文化に触れることのできる環境にはまだ到達できていません。例えば、海外の先進的な美術館では認知症や障害者に対するアクセスプログラムなど、芸術文化の力で社会課題発見・解決に貢献する様々なプログラムが開発され注目を集めています。先進的な文化施設が健康・福祉等の分野で世界を牽引する動きもみられています。このようなあらゆる環境に置かれている人を意識した取組を進めることが必要です。芸術文化の鑑賞者は年齢層が高く、10代の割合が特に低くなっています。今後さらに進行する人口減少、少子化の影響を考えると、現状のままでは、鑑賞者数はさらに減少していく可能性があります。子供の頃から芸術文化に慣れ親しむことは、豊かな感受性、想像力や創造性、表現力を育む上で大きな効果があると考えられています。芸術文化の担い手の育成、子供や若者の健全な成長を促す意味でも、芸術文化に親しむ機会を増やしていくことが重要です。25ロイヤル・エクスチェンジ・シアター(イギリス)での高齢者プログラムダリッチ・ピクチャー・ギャラリー(イギリス)での高齢者プログラムTOUCH (Elders Companyproduction 2019)photo: Joel C Fildes提供:ダリッチ・ピクチャー・ギャラリー(イギリス)By permission of Dulwich Picture Gallery 年代別の認識別鑑賞割合(直接の鑑賞・新型コロナウイルスの拡大前(2020年2月頃まで)の1年間)東京の文化振興をさらに発展させるために東京都が積極的に進める必要がある取組(複数回答)出所)東京都「新文化戦略に関する都民アンケート」(2021年9月調査)出所)東京都「文化に関する世論調査」(2017年11月・2018年1月調査)※設問では16の選択肢を用意。うち、割合が高かった3項目を掲載。45.5%19.418021.476222.01,01727.91,09326.199335.21,08044.987521.854729.36,00037.2%24.2%(%)(サンプル数=1,841)子供の頃から美術館や劇場に親しめる環境を整備するサンプル数10代20代30代40代50代60代全体70代以上19~25歳特定分野※いずれか魅力的な展示・イベントを行う東京から世界へはばたく若い芸術家を育成・支援する※「特定分野」…特に公共分野の支援が大きい傾向のある、美術、音楽(オーケストラ等)、演劇(現代演劇等)、 バレエ・現代舞踊、伝統芸能といった特定の分野のこと。図表5図表61戦 略
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